最近ほめゲームについていただく質問で多いのが、
回答例や、模範解答となるものはないのですか?という質問です。
結論から述べますと、カードの参考回答例などはございません。
理由は様々ありますが、大きく3点あります。
・受け取り主義
・必殺のほめ言葉はない
・過程そのものがトレーニング
一つ一つ詳細を見ていきます。
1.受け取り主義について
一つには、ほめることに関して、私自身は「受け取り主義」ととらえています。受け取り主義というのは何かというと、ほめられる側、受け取る側が何らかのプラスの感情を得たならば、ほめ言葉としては成功という考え方のことです。
どれほどの美辞麗句を並べていようとも、聞いた側受け取った側が何も感じていないならばそれはうまくいっているとは言えない。
逆に、驚愕や感嘆の表情とともに「すごいね!」とたった一言。
それだけで忘れられない一言として記憶に残ったりもする!
何気なく褒めたつもりでもなんでもない一言が妙に心に残ったりする。
逆に、どれほど良いことを語っていても響かないこともある。
(学校での校長先生、教頭先生のお話しが、思い浮かんでしまいました。全国の校長先生すみません。)
そして、受け取り主義をとっているために、ほめ言葉の効果を突き詰めるよりも、
「ほめ言葉の総量を増やしていくこと」にシフトしていたりします。
2.必殺のほめ言葉はない。
相槌などは、覚えたフレーズを用いるだけでも、まあ良いかと思います。
女性の「さしすせそ」など恋愛テクニック的なやつですね。
始めはよいと思うんですよ。まずは褒めることに慣れること、恥ずかしさを克服しよう。そんな段階ならば、決まった言葉を使ってオーケー。
しかし、自然にほめ言葉が口から出るようになってきたな、自分の恥ずかしさよりも相手を褒めて喜ばせたい、そんな感情が生まれてきたのならば、決まった言い回しはむしろ捨てていって、その人その時その場所に合わせたものを使うようにしてほしい。
となると、必殺技的なほめ言葉はつかえないということになります。
また、回答例などの言葉に縛られてしまうとその人独自のオリジナリティあるほめ言葉は出てきません。ファーストフード店のテンプレートマニュアル接客と同じようなものです。味気なさを感じますし、ほめる行為はそれ以上うまくなりません。
3.過程そのものがトレーニング
最大の理由はここですね。
模範解答が欲しいというのは、悪い言い方をするならばすぐに答えを求めようとしてしまうということです。そもそもコミュニケーションには、正解はない、時と場合による。
私自身は、その人なりの感じ方、考えを語ってもらうのが正解だと思っています。
重要なのは、ほめゲームのお題が難しかったりわからなかったりしたとしても、
質問に答えようとする過程そのものが、練習になりトレーニングになるということ。
回答をつけてしまうと、その考える過程を奪ってしまうことになります。
けれども、難しかったとしても、周りのプレイヤーと一緒になって考えることができます。 2分間ご自身で悩んで考えたのちに、他の参加者さんに話を振ってみると良いですね。
すると、違った視点での褒め方や別の人だったらどう答えるのか?が聞けるのです。
つまりは、書かれた回答例を見たり眺めたりするよりも、ほめゲームを行う中で
リアルに!
ライブで!
回答例が目の前にあるのです。
目の前にたくさんの回答例が現れているのに、模範回答をつける必要があるのか?というと、はっきり「必要ない」と断言できます。
「考える過程」と、「他の参加者さんの異なる視点(回答例)」を重要視すると、文章による模範回答例は必要ないということになります。
ゲームですから何度も行えます、数回行うことで、お題に応えられるようになっていきますよ。
最後になりますが、数少ないコミュニケーションの正解の一つは、
「陰でほめること」です。
デメリットははっきり言ってありません。
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